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プロジェクトストーリー

PROJECT
STORY

未来をつくる、未来へつなぐ
先輩たちの技術を紹介します。

2018年

西日本豪雨災害における

高知道・松山道の

災害復旧プロジェクト

2018年7月、西日本地域を襲った記録的な豪雨により、
高知自動車道の立川橋の上部工が流出、
また松山自動車道の大洲料金所(トールバリア)設備が水没する被害が発生。
これまで経験したことのない事態に、
NEXCOエンジニアリング四国の技術者たちはどう立ち向かったか。
災害復旧に向けたストーリーをご紹介します。

「平成30年7月豪雨」で
四国の高速道路の48%、229kmが通行止め

2018年6月28日から7月8日にかけて記録的な豪雨が発生。総降水量は1800mmに達し、四国の高速道路の48%にあたる229kmが通行止めとなりました。
この大雨により、高知自動車道(以下、高知道)の立川橋の上部工が流出。また、松山自動車道(以下、松山道)の大洲料金所が浸水し設備が損傷するという被害が発生。同時に発生した2つの大きな災害。それぞれの状況に応じて臨機応変に社内体制を組み、早期復旧を目指しました。

出典:気象庁 6月28日から7月8日までの総降水量(アメダス)

出典:気象庁 6月28日から7月8日までの総降水量(アメダス)

災害発生から復旧までの流れ

災害発生から復旧までの流れ 高知道立川橋 松山道 大洲料金所

高知道 立川橋

松山道 大洲料金所

災害発生から復旧までの流れ 高知道立川橋
災害発生から復旧までの流れ 松山道 大洲料金所

高知道 立川橋の被災から復旧まで

立川橋の被災状況

立川橋は、高知道の新宮IC~大豊IC間の上り線にある橋梁。その付近の観測所では、6月28日からの続く雨で、総雨量1300mmを観測していました。7月7日未明、パトロール中の社員が、山崩れの土砂によって立川橋の上部工(橋桁など)が64mに渡り流されていることを発見。崩落した土砂は、下り線の千本川橋の下まで達していました。

現場は非常に危険な状態だったため、ドローン撮影により被災の全容や土砂の滑り出しの箇所、崩落土量などを把握しました。上部工が完全に流されたことで、橋梁に設置されていた電源ケーブルや通信ケーブルも遮断という二次的被害も発生していました。そのような被災状況でも、いち早く通行止めを決断していたため、人的被害がなかったことは幸いでした。

立川橋の被災状況
立川橋の被災状況
立川橋の被災状況

対面通行による応急復旧

被災調査と並行して、被災を免れた下り線の千本川橋を利用した対面通行の検討を始めました。まずは、千本川橋の橋脚に堆積した土砂による影響はないか、健全度調査や散水車を用いた載荷試験をおこない、安全に通行できることを確認。ただちに、上り線から下り線の千本川橋へとつなぐ「渡り線」の設計に入りました。高低差が少ない場所や安全に車線を減少できる場所を考慮して渡り線を決定。渡り線の手前では事故防止のための看板類、そして積雪対策として散水融雪設備なども設置しました。また5本のトンネルにおいて、円滑な交通の確保のため、照明器具の増灯や非常用設備等の増設を行いました。

24時間体制で工事を進め、発生からわずか6日後の7月13日11時、対面通行を開始しました。

擦り付け部の整備

擦り付け部の整備

標識類の設置

標識類の設置

トンネル照明の増灯

トンネル照明の増灯

対面通行による応急復旧
対面通行による応急復旧
対面通行による応急復旧
対面通行による応急復旧

4車線化による完全復旧

4車線化の復旧作業のメインは、流出した橋の上部工の再建と斜面の安定化の2つ。工学や地質学などの有識者による技術者検討委員会を設立し、土砂崩落箇所の安定性や対策工法を検討しました。

新たに道路を建設する場合と異なり、被災した道路の復旧工事は難易度が高いため、親会社であるNEXCO西日本、グループ会社、ゼネコンが一丸となって、一年後の完全復旧に向けて作業を開始。当社は主に施工管理として携わりました。

土砂が流出した斜面は本線に近く、再び大雨となれば新たな土砂災害が発生しかねない場所。そこで万が一、崩落が発生しても本線に土砂が流れないように、斜面の途中に設置した構造物で土砂の向きを変える「流向制御工」を採用しました。斜面は、コンクリートとボルトを打ち込む「ロックボルト工法」で擁護しました。

工事中も土砂の再崩落など作業員の二次災害が懸念されたため、遠隔操作ができる無人バックホウを使用するなど危険防止を常に徹底。随時現場で発生する問題も一つずつ解決しながら工事を進めていきました。この間にも斜面に動きがないか、センサーやウェブカメラを使ったモニタリングを継続していました。

上部工の再建には、プレキャスト桁橋(あらかじめ工場で製作された部材)が用いられたことで、現場の斜面施工と橋の工事を同時進行でおこない、工期の短縮化を図ることができました。

4車線化による完全復旧
4車線化による完全復旧
4車線化による完全復旧
4車線化による完全復旧

対面通行から4車線へ切り替え完了

2019年4月8日には架設が完了し、6月24日には舗装工事が完了。いよいよ4車線化に向けて、7月1日夜から2日の朝を夜間通行止めとし、車線の切り替えに取りかかりました。4車線化にあたり、ポストコーン、トンネル照明、路面標示、渡り線を撤去するとともに、新しい立川橋に電源ケーブルや通信ケーブルを敷設しました。

ついに7月8日朝6時、被災からわずか1年で、4車線での完全復旧が完了したのです。

対面通行から4車線へ切り替え完了
対面通行から4車線へ切り替え完了
対面通行から4車線へ切り替え完了
対面通行から4車線へ切り替え完了

松山道 大洲料金所の被災から復旧まで

大洲料金所の被災状況

愛媛県大洲市の肱川流域では、7月4日夜から断続的に雨が降り続いていました。4日夜から7日昼までの肱川橋上流域の総雨量は367mm。これは100年に1回起こるほどの大雨。7月7日の12時に肱川橋地点の水位が観測史上最大の8.11mを記録し、大規模な氾濫が発生しました。

これによって松山道の大洲料金所の建物の1階が約80cmの高さまで浸水。1階にあった配電設備が損傷を受けるとともに自家発電設備も水没したため、電気系統が完全に使用できない状況となりました。

浸水した建物外観、および周辺の様子

浸水した建物外観、および周辺の様子

浸水した建物外観、および周辺の様子

浸水した建物外観、および周辺の様子

建物内に浸水した様子

建物内に浸水した様子

機器内に浸水した様子

機器内に浸水した様子

浸水により損傷した機器

浸水により損傷した機器

浸水により損傷した機器

浸水により損傷した機器

大洲料金所再開のための復旧作業

7月7日12時に社員が現地入りするものの、浸水した状態では被災状況の把握が困難で、水が引くまで待機。7月8日朝に水が引き始め、ようやく清掃作業と詳細な調査、復旧作業を開始しました。1階にあった機器のすべては損傷し、交換や修理が必要な状況でしたが、料金収受処理の機器は2階にあったため、難を免れることができました。

復旧作業は、損傷した機器の修理と、料金所の早期再開の2軸で進めました。機器の修理においては、壊れている装置や部品の選別をし、復旧のための作業計画を立て、メーカーへ部品や交換する機器を手配しました。一方で、料金所の再開のためには、料金処理の機器や、電灯及び空調などのための電気が欠かせませんでした。また、料金所周辺の情報板や照明などの設備にも電気が必要でした。損傷した機器の修理には2週間を要したため、仮設発電機を2台手配して交互運転しながら、24時間交代の人員監視体制で電気を供給。浸水した翌日の7月8日には大洲料金所を再開することができました。大洲市内の浸水エリアは約1400ha、浸水家屋は3000戸を超えるなどその被害は甚大で、被災された方への支援活動においても大洲料金所の早期再開は不可欠であったと言えます。

大洲料金所再開のための復旧作業
大洲料金所再開のための復旧作業
大洲料金所再開のための復旧作業
大洲料金所再開のための復旧作業

将来に備え、配電盤等を収容した施設を高台に新設

配電盤等を収容した電気室や、自家発電機室、ETC室は「平成30年7月豪雨」の肱川氾濫の浸水範囲に位置し、将来同規模の大雨が発生した際には、再び浸水する恐れがありました。そのため建物を既存の場所よりも高い場所となる本線そばに新設することを決定。本工事の設計や施工監理は当社が実施し、2019年6月に完成しました。

将来に備え、配電盤等を収容した施設を高台に新設
将来に備え、配電盤等を収容した施設を高台に新設

日々のノウハウの蓄積が迅速な対応を可能に

これまで経験したことのない2つの大きな災害。それにも関わらず早期に、かつ事故なく復旧対応ができたのは、日頃の点検業務と情報収集、そして設計から施工管理まで一貫して対応できる当社の総合技術力であると自負しています。困難な状況のなか、社員一人ひとりが何をすべきかを考えて行動しました。その一人ひとりの力が大きなチームワークを生み、復旧作業をやり遂げることができたのだと、改めて振り返ります。

災害直後には、被災した方々からは「高速道路が早期に通行できるようになり避難することができた」「高速道路を通じて救援物資が被災地に届いた」といった声が寄せられました。また、観光業の方からは、観光への影響が最小限に抑えられたことに安堵する声も聞かれました。
地域住民の生活や地域の産業を支えている高速道路。その安全を守るという信念を持ち続け、これからも日々技術を積み重ねてまいります。

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