スタッフメッセージ

石川 恭史

調査設計(土木職)
2010年入社

よりよい方法を提案できることが補修・補強設計の面白さ

現在の仕事内容

点検結果から得られた情報と建設当時の設計基準や設計条件、架橋条件などから得られた情報を基に、橋梁の補修・補強設計を行っています。
浮きや剥離があれば、脆弱部を取り除き、表面保護やひび割れ注入、断面修復等により補修をしています。
補修・補強の場合は損傷・劣化の状態がそれぞれ異なるため、状態に応じた補修方法を考えなくてはなりません。同じような橋梁形式で、同じような環境下にありながらも損傷・劣化の状況が違うこともあります。また、損傷・劣化原因の特定と脆弱範囲の見極めも大事です。外科医が一人一人の患者にあわせて手術を行うように、補修・補強設計においても一つ一つの橋梁に適切な工法を選定する必要があります。
これまでは建設工事の発注者側の施工管理員として、新設橋梁工事に携わってきました。そのため、補修・補強設計を行う現部署に異動したときは戸惑いもありましたが、優しい先輩方に教えてもらいながら技術を学びました。補修・補強の工法を自分なりに考え、提案できることに補修・補強設計の面白さがあると思います。

点検と補修により100年もつ橋梁を実現したい

使命感を感じること

現場で施工しやすい補修・補強設計を心がけています。
施工しやすい補修・補強設計とは、施工しやすい順番、適切な足場の選定、資材搬入経路の確保、周辺の交通状況などが熟慮されている設計だと考えます。山間部にある橋梁もあれば、都市部にある橋梁もあります。できないことを図面に描いても仕方ありません。現場に即した現実的な補修・補強設計が求められるのです。
コンクリート橋梁の耐用年数は50年と言われていますが、それは点検と補修のメンテナンスサイクルがきちんとされている場合だと考えます。20年も経てば脆くなる箇所も出てきます。
これまでは狭くて補修ができなかった箇所も小型ドローンや小さな施工機械が開発され、点検や補修ができるようになりました。また長寿命化に寄与する新しい素材・工法も誕生しています。
人間の寿命が医学の進歩によって伸びているように、新しい技術を活用し、100年もつ橋梁を実現したいと考えています。

困難が大きいほど、達成感も大きい

達成感を得たエピソード

2019年に開通を迎えた高松自動車道の鳴門IC~高松市境の4車線化工事に発注者側の施工管理員として携わりました。
すでに運用していた2車線(片側1車線ずつ)の高速道路を4車線に拡幅するもので、一般車両が通行する中で工事は進みました。供用中の高速道路からわずか50cm隣で工事をすることもありました。工事による資材などが供用中の高速道路に飛んで事故が起こらないように、気を張りつめながらの作業でした。
2車線運用のときには事故が起こると通行止めにせざるを得ませんでしたが、4車線化完了後は事故が起きても、分離された残りの車線で運用ができるように。高速バス会社からも渋滞の発生が少なくなり、時刻表通りの運行がしやすくなったと喜びの声がありました。
また、高速道路は災害時の緊急車両や支援物資を運ぶ「命の道」としての役割も担っています。上下線どちらかの車線が被害にあっても残りの2車線で運用を継続できるようになり、その役割を一層強固に果たせるようになりました。
4車線化にともない新設した橋梁は、JR、河川、県道、市道など、様々な交差物件の上を跨いでおり、関係者間の調整に苦労しましたが、その分、無事に開通の日を迎えたときには充実感と達成感に満たされました。
これからも専門知識や高度な資格を修得し、「橋梁の補修・補強といえば石川」と声が掛かるような技術者を目指したいです。

ページの最上部へ戻る